2022/05/11

小児の原因不明急性肝炎発生(2022年5月10日)

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3. 小児の原因不明急性肝炎発生

 2022年4月以降、19カ国で16歳以下の小児の原因不明急性肝炎発生合計237人、死亡4人が報告され、アデノウイルス41F型が原因病原体として指摘されている(5月4日現在)。

 

  イギリスの最初の報告(4月5日)を皮切りに、一部ヨーロッパ諸国と米国、日本など19カ国で合計237人が発生し、4人死亡した(~5月4日)。

 

<全世界の発生特徴の要約、5月4日現在、WHO、ECDCなど>

区分

発生特徴のまとめ

発生

19ヶ国 237人

イギリス(145人)、イタリア(17人)、スペイン(13人)、イスラエル(12人)、デンマーク(6人)、アイルランド(<5人)、オランダ(4人)、フランス(2人)、ベルギー (2人)、オーストリア(2人)、ノルウェー(2)、ポーランド(1)、ルーマニア(1)、ドイツ(1)、アメリカ(18)、日本(1)、インドネシア(3死亡)、シンガポール(1人)、パレスチナ(1人)

死亡

4人

年齢

 1ヶ月16歳

臨床学的特徴

肝臓酵素の急激な増加(ASTまたはALT 500IU / L超過)、

* スコットランド:小児大部分2,000IU/L超過 * 米国:(AST)447-4,000IU/L、(ALT)603-4,696IU/L

 黄疸、腹痛、下痢、嘔吐、胃腸関連症状報告(ほとんど発熱症状はない)、

 A,B,C,D,E型肝炎は確認されていません

その他特徴

(肝移植必要事例) 最小 18人    (アデノウイルス陽性) 最小 74人(41型: 18人)

(コロナ19 ウイルス陽性) 最小 20人 (アデノウイルス, コロナ19ウイルス同時感染) 最小 19名

 

  国内事例発生状況把握、モニタリングのために関連学会及び医療界と協力して監視体系を構築・運営中である(5月~)。 

   * (事例定義) ’22年5月から急性肝炎で来院した16歳以下の小児青少年患者のうち、ASTまたはALTが500IU/Lを超え、ウイルス肝炎(A、B、C、E型)でない場合 

 ○ 監視体系を通じて国内疑心事例1件が報告(5月1日)され、呼吸器検体に対するPCR検査でアデノウイルス、コロナウイルス*が検出され、事例検討中である。

   * 現在流行中のコロナ19ウイルスではなく、既存の呼吸器病原体監視システムに含まれている人コロナウイルスの一種

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