原文リンク 2025年4月18日
感染症大流行に備えた「国家備蓄物資中長期計画('25~'29)」策定 |
- 感染症パンデミック・バイオテロ感染症発生時、迅速な備蓄物資の供給で円滑な初期対応を通じた感染症拡大防止 |
疾病管理庁(庁長チ・ヨンミ)は4月17日(木)、2025年第1回感染症管理委員会(委員長チ・ヨンミ疾病管理庁長)で「第2次国家備蓄物資中長期計画('25~'29)」を確定した。
今回の中長期計画は、新型コロナ19への対応などの経験を基に、今後の感染症大流行に備えて備蓄が必要な医療・防疫物資を再検討し、危機的な状況で国民の生命を守るための詳細な運営案を策定するために策定された。
これまで政府は、感染症による国家公衆衛生危機状況に備えて備蓄物資の選定・管理計画を策定・運営しており、新型コロナウイルス対応時にも事前に備蓄された医療・防疫物資が活用された。
ただし、今後の新型感染症パンデミック時に備蓄物資の使用量が急増する可能性、新たな技術開発などの環境変化を考慮した備蓄品目や適正備蓄量の再検討など、備蓄計画の改善の必要性などが提起された。
今回の中長期計画は、国家備蓄物資専門家諮問会議、感染症危機管理専門委員会などの諮問と意見収斂を経て確定され、 ❶新種感染症発生初期対応のための個人保護具の常時備蓄、❷重症患者などの治療支援のための医療装備の統合管理、❸主要高リスク病原体対応治療薬・ワクチンの導入及び備蓄、 ❹拠点ベースの効果的な備蓄管理支援体系の構築を目標に、今後5年間('25~'29)の推進戦略を盛り込んでいる。
[1. 新型感染症発生初期対応のための個人保護具の常時備蓄 ]
新型感染症発生時、患者に対応する医療従事者の保護に十分な量の医療用個人保護具(レベルD保護服など)と生物テロ現場対応要員用の個人保護具(レベルA-C保護服など)を関係機関の需要などを考慮して段階的に拡大備蓄する。
* 対応危険度レベル : レベルA(最高) > レベルC(中) > レベルD(最低)
[2. 重症患者などの治療支援のための医療機器統合管理]
COVID-19当時、医療機関に支援した医療装備(40品目、約4万台)を統合管理し、核心治療装備(エクモ、人工呼吸器など)は専門家などで構成されたネットワークを運営し、平時には医療機関が活用して性能を維持・管理するが、危機時には感染症患者の診療に迅速に配置できるように支援体制を強化する。
また、感染症大流行時に陰圧病床の設置に欠かせない移動型陰圧器は、危機時に迅速かつ十分な供給ができるように一定量の中央保管も引き続き推進する。
[3. 主な高リスク病原体対応治療薬・ワクチンの導入と備蓄]
新型インフルエンザ及び鳥インフルエンザ(AI)大流行に備え、抗ウイルス剤の備蓄量は全国民の25%である現行水準を維持しつつ、備蓄管理を効率化するために原料備蓄を拡大し、循環交換方式の運営などを通じて廃棄を最小化する。
致死率及び拡散可能性が高い炭疽菌バイオテロに備え、炭疽菌ワクチンは現行のように第2世代ワクチンの備蓄を持続的に維持し、長期的に国内の第3世代ワクチンの開発状況に応じて追加導入も検討する。致死率の高い炭疽バイオテロに備え、最近食品医薬品安全処から医薬品品目許可('25年3月)を取得した国内開発炭疽ワクチンに対する備蓄拡大を推進する。
また、海外の鳥インフルエンザ(AI)人体感染事例の持続的な発生と国内流入に備えるため、ワクチンを備蓄するなど、新型感染症に備えるための新規開発医薬品のモニタリングと追加導入も引き続き検討する。
[4. 根拠に基づく効果的な備蓄管理支援体制の構築]
備蓄物資関連政策の客観性・妥当性を高めるため、専門家諮問委員会、備蓄協議会などの意思決定体系を高度化し、国家備蓄物資に関連するその他の医療物資*に関するコントロールタワー機能を強化するため、医療物資備蓄関連統合管理システム**を運営する。また、国家備蓄物資の品質管理を強化するため、循環交換と有効期限が到来した備蓄物資の管理などを改善し、品目別の品質管理詳細指針を策定して点検していく。
* 自治体備蓄物資、民間流通物資及び一般感染症備え・対応用医療物資など。
** (防疫物資、医療装備) 災害管理資源統合管理システム(KRMS), (医薬品) 防疫統合情報管理システム内在庫管理システム
疾病管理庁は今回の中長期計画が確定されたことで、細部課題別の予算確保と追加課題の発掘など、効果的な履行に努める予定だ。
チ・ヨンミ疾病管理庁長は、「国家備蓄物資の中長期計画を策定し、感染症大流行及び生物テロ感染症による公衆衛生危機時に備蓄物資を効果的に支援し、感染症流行初期に迅速に対応し、感染症拡大防止に貢献する」と述べた、
「国家備蓄物資の体系的な管理で、公衆衛生危機から国民の健康を守るために努力する」と明らかにした。
目標 | | 初期対応時の迅速な備蓄物資の供給で感染症の拡散防止 | | | 
| 核心課題 | | 4大領域 | | 推進戦略と重点課題 | | | | 1. 個人保護具 | | 新型感染症発生初期6ヶ月対応可能なレベルの個人保護具を常時備蓄 | 1 新型感染症に対する医療用個人保護具(レベルDなど)の備蓄 2 バイオテロに備え、現場用個人保護具(レベルA-C)を備蓄 | | | | | 2. 医療装置 | | 重症患者などの治療支援のための医療機器の統合管理 | 1 政府支援医療機器の統合管理 2 医療機器支援及び活用体系の構築 3 移動型陰圧器の中央保管及び活用の向上 | | | | | 3. 医薬品 | | 主要な高リスク病原体対応治療薬・ワクチンの導入・備蓄 | 1 新型インフルエンザの大流行に備えて抗ウイルス剤の備蓄を実施 2 バイオテロに備えて痘瘡ワクチンの備蓄及び第3世代国産痘瘡ワクチンの導入 3 バイオテロに備えて国内生産炭疽ワクチンの備蓄 4 炭疽、ペスト、野兎病に備えた抗生物質の備蓄 5 その他の高リスク感染症に対する医薬品の備蓄 | | | | | 4. 備蓄計画 | | 根拠に基づいた効果的な備蓄管理支援システムを構築する。 | 1 国家備蓄物資政策の根拠強化のための意思決定システムの高度化 2 医療物資備蓄に関するコントロールタワー機能の強化 3 国家備蓄物資の品質(有効期限など)管理 4 国家備蓄物資の緊急配送システム(24時間以内)運営 |
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