4. コロナ19治療剤「パクスロビド重症予防効果分析」 |
□ コロナ19重症リスクが高い60代以上の確診者などを対象に処方されているパクスロビドの効果評価のため、療養病院を対象に重症予防効果を分析した結果、以下の通りであった。
○ 2022年2月以降、流行が発生した5つの療養病院が分析に含まれ、全体構成員は2,241人(入所者1,161人、従事者1,080人)、4月2日まで総確診者1,612人で発生率は71.9%( 入所者56.7%、従事者43.3%)だった。
○ 確診者の44.7%(26.9%〜63.0%)が治療薬を投与され、そのうち86.8%はパクスロビドを使用した。
○ 確診者のうち入所者を対象に性別、年齢、予防接種歴を補正した後、治療剤未投与者とパクスロビド投与者の重症リスクを比較した結果、未投与者における重症化率は2.04倍(95%信頼区間:1.02-4.11) )、死亡率は1.61倍(95%信頼区間:0.76-3.44)高く現れた。
重症化率 左側 未投与 右側 投与 | 死亡率 左側 未投与 右側 投与 |
○ 本調査は、特性が類似した療養病院入所者のみを対象に、年齢やワクチン接種歴などの死亡関連の主要因子を補正した結果、予防効果が確認されたという点に意味がある。
○ 一方、コロナ19関連死亡の定義をコロナ19確診後28日経過者を含め、他の原因による死亡を区別できなかった点と、同じ療養病院入所者であるが基礎疾患及び確診時の状態を補正できなかった点の制限はあるが 、これは今後の研究対象の拡大で、更なる分析を通じて補完する予定である。
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