原文リンク 2025年1月10日
呼吸器感染症の流行状況を集中点検 インフルエンザ疑似患者、2016年以降最高水準 |
- (動向・展望) `25年1週目のインフルエンザ疑似患者数(99.8人/1,000人)が大幅に増加、今後1~2週間後に流行のピークを過ぎる見込み - (第3次合同対策班) *(疾病庁) 主要感染症発生状況の点検、インフルエンザ及びコロナ19ワクチン接種の勧奨、感染症予防心得の積極的な広報、必要な場合、抗ウイルス剤の政府備蓄分市場へ供給 *(福祉部) 呼吸器感染症の増加に備え、発熱クリニック、呼吸器疾患協力病院の再稼働 *(福祉部、食品医薬品安全処) 医薬品需給状況の点検 - (専門家提言) ▲高齢者・小児インフルエンザワクチン接種を急ぐこと ▲マスク着用など予防手立ての遵守が重要 ▲抗生物質耐性の積極的なモニタリング ▲患者増加に備え、医薬品と病床の需給モニタリングなどの要請 |
【 インフルエンザの流行状況 】
疾病管理庁が運営する医院級(300ヵ所)のインフルエンザ標本監視の結果、インフルエンザ(疑似)患者は最近9週間持続的に増加し、'25年1週目('24.12.29.~'25.1.4.)に医院級外来患者1千人当たり99.8人で現在と同じレベルの標本監視体制が構築された2016年(86.2、'16年52週)以降、最高水準を示した。
* (インフルエンザ疑似患者, Influenza-like illness(ILI)): 38℃以上の急な発熱、咳または喉の痛みがある者。
* (最近4週間のILI): (50週) 13.6人 → (51週) 31.3人 → (52週) 73.9人 → ('25.1週) 99.8人
* ('24-'25シーズン流行基準) 全国医院級外来患者1千人当たりインフルエンザ疑似患者 8.6名
年齢別では、すべての年齢層で患者数が増加している状況で、'25年第1週('24.12.29.~'25.1.4.)基準で13~18歳(177.4人)が最も多く、7~12歳(161.6人)、19~49歳(129.1人)の順*で発生し、学齢期の児童・青年層での感染が流行を牽引している。
* 13~18歳(177.4人) > 7~12歳(161.6人) > 19~49歳(129.1人) > 1~6歳(83.1人)
50-64歳(70.8人) > 0歳(47.8人) > 65歳以上(35.1人)
節季別インフルエンザ疑似患者発生状況
16-17節季⁓24-25節季 連続インフルエンザ疑似患者発生推移
年齢別インフルエンザ疑似患者の発生状況(23-24節季⁓24-25節季)
このような患者数の増加は、コロナ19のパンデミック期間中にインフルエンザ感染者がほとんどいなかったため、去る22年9月~24年 7月のインフルエンザ流行が22ヶ月間かなり長く続いたにもかかわらず、これまで感染していない人が地域社会内に多かったこと、昨年10月以降、年末まで気温が例年より高かったが、最近の寒波などで気温が急激に下がったこと、現在のインフルエンザの2つのタイプA(H1N1)pdm09、A(H3N2)が同時に流行している状況と、寒さによる室内活動が増加し、適切な換気が不足していることなどが複合的に作用していると推定される。
ただし、過去の例年の冬季インフルエンザの流行傾向は、冬休み直前にピークを記録した後、休みが始まる1月以降、徐々に減少する傾向を示したことを考慮すると、今後1~2週間以降、流行のピークは過ぎると予想される。
流行中のインフルエンザウイルスの型であるA型((H1N1)pdm09、H3N2)は、今回のシーズンのワクチン株*と非常に類似しており、高い中和能形成が確認され、ワクチン接種で十分な予防効果が期待でき、また、治療薬耐性に影響を与える変異もないことが確認された。
* 世界保健機関(WHO)が推奨するインフルエンザワクチンの製造に使用されたウイルス。
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最近4週間のインフルエンザウイルスの型別検出状況 |
* 小児、妊娠または出産2週間以内の妊産婦、65歳以上、免疫低下者、基礎疾患者など(添付資料3)。
** オセルタミビル経口剤(タミフル)、ザナミビル外用剤(リレンザロタディスク)
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