2025/05/23

近隣諸国で新型コロナウイルス感染症の発生が増加

 原文リンク 2025年5月23日

近隣諸国で新型コロナウイルス感染症(コロナ19)の発生が増加

日常の予防策の遵守、高リスク群のワクチン接種を呼びかけ

- 2025年20週目のコロナ19入院患者100人、ウイルス検出率8.6%。

- 香港、中国、台湾など近隣諸国のコロナ19の発生増加傾向、状況注視  

- 日常生活における呼吸器感染症予防策の遵守と高リスク群のワクチン接種の呼びかけ

 

○ (発生動向)コロナ19標本監視入院患者100人、最近4週間は同じようなレベル

   * (最近4週間の状況) 17週目 127人 → 18週目 115人 → 19週目 146人 → 20週目 100人

 

○ (病原体監視) コロナ19ウイルス8.6%検出で先週比5.8%p増加

   * (最近4週間の状況) 17週目 6.9% → 18週目 4.2% → 19週目 2.8% → 20週目 8.6%.

 

○  (海外動向)香港、中国、台湾などアジア諸国で増加傾向、

   アメリカ、イギリス、日本など世界的には減少

  * (香港)20週目の陽性率は13.80%で1年ぶりの最高値、(中国)18週目の陽性率は16.2%で24年ぶりの最高値に近づく中、(全世界)18週目(4月28日~5月4日)の陽性率は3.4%。

 

○  (予防接種)65歳以上の高齢者、免疫低下者など高リスク群を対象に予防接種を積極的に推奨

 

 

 疾病管理庁(庁長チ・ヨンミ)は、最近、国外の一部国家(香港、タイなど)でのコロナ19の発生増加と関連し、国内はまだ安定的に管理中であるが、例年の傾向を参考にすると、夏季に流行する可能性を排除できないため、日常的に呼吸器感染症予防の遵守が必要であり、高リスク群は予防接種を勧告すると明らかにした。

 

発生動向

 

 2025年第20週(5月11日~17日)の国内病院級医療機関(標本監視機関221ヵ所)コロナ19入院患者数は100人で前週(146人)比で減少し、最近4週間は小幅な増減を繰り返し、同様の水準*を維持している。 

 

*  (最近4週間) (17週) 127人 → (18週) 115人 → (19週) 146人 → (20週) 100人

 年齢別では、65歳以上の年齢層が2025年累積入院患者数の59.3%(1,376人)で最も多かった。

 

그림입니다. 원본 그림의 이름: CLP00004c180001.bmp 원본 그림의 크기: 가로 813pixel, 세로 382pixel

[ 病院級医療機関のCOVID-19入院患者の状況(2024年~2025年20週)]

 

그림입니다. 원본 그림의 이름: CLP00004c18141d.bmp 원본 그림의 크기: 가로 717pixel, 세로 406pixel

[ 病院級医療機関のCOVID-19入院患者の年齢別状況(2025年1週~20週累積)]

 

 病原体監視

   2025年第20週(5月11日~17日)のコロナ19ウイルス検出率は8.6%で、先週(2.8%)に比べ上昇(+5.8%p)し、下水監視でもウイルス濃度が先週より若干増加(+3.6%p)したため、増加が持続するかどうかを注意深くモニタリングしている。

 

 *  (最近4週間の検出率) (17週) 6.9% → (18週) 4.2% → (19週) 2.8% → (20週) 8.6%) 


[  コロナ19ウイルス検出率及び下水監視状況(2024年~2025年20週) ]


 

 2025年5月(~5月17日まで)のCOVID-19変異ウイルスはオミクロンLP.8.1が30.8%で最も高い割合を占め、最近香港など一部の国で流行しているXDV系列のNB.1.8.1は今年2月に国内で初めて検出された後、持続的に増加し21.2%を占めた。NB.1.8.1は、既存の流行変異体と比較して免疫回避能力のわずかな増加が確認されたが*、伝播力及び重症度についてはまだ報告されていない

 

* ワクチン接種後、JN.1感染者血清の中和能分析の結果、LP.8.1.1.1に比べてNB.1.8.1が1.6倍減少(BioRxiv 5.1)  

 

그림입니다. 원본 그림의 이름: 최종.png 원본 그림의 크기: 가로 1756pixel, 세로 961pixel

[国内COVID-19変異ウイルスの詳細系統割合(2025年5月17日現在) ]

 * JN.1は、KP.3、LP.8.1を除くJN.1の全ての細部系統を含む。

 ** その他はJN.1細部系統(JN.1, KP.3, LP.8.1), XEC, NB.1.8.1 を除く全ての細部系統を含む。

*** 疾病管理庁は5月現在、主要監視変異としてJN.1、KP.3、LP.8.1、XEC、NB.1.8.1を監視中。


海外動向

 WHOの発表(5月4日)によると、最近4週間(4月7日~5月4日)の間に82カ国で23,164人の患者が報告され、直前の4週間(3月10日~4月6日, 91ヶ国46,269人)より減少した。18週目の陽性率は3.4%で、2025年連続減少傾向を示している。

 しかし、香港など近隣諸国では患者の増加が報告されている。

 

 2025年9週目(2月23日~3月1日)以降、持続的な増加傾向を示していた香港は、20週目(5月11日~17日)に977人の患者が報告され、前週(1,042人)に比べ若干減少したが、2024年夏の流行ピーク(30週目(7月21日~27日)、796人)よりも高い発生を示している。陽性率は20週目に13.80%で、前週(13.66%)と類似しているが、1年ぶりの最高値だと明らかにした。コロナ19の重症(死亡を含む)患者は27人で前週(18人)に比べ増加した。


台湾とシンガポールでも増加傾向を示している。台湾は20週目(5月11日~5月17日)にコロナ19による外来および救急室訪問者数が19,097人で前週比91.3%増加し、今年発生した死亡を含む重症患者のほとんどは65歳以上の高齢者と慢性疾患者であり、コロナ19ワクチン未接種者であると明らかにした。シンガポールは、コロナ19感染者が18週目(4月27日~5月3日)に14,200人で、前週(11,100人)比27.9%増加した。

 

中国もインフルエンザ疑似患者のうち、コロナ19陽性率が18週目(4月28日~5月4日)に16.2%で14週目(3月31日~4月6日)の7.5%から持続的に増加している。中国疾病管理センターは、今夏の流行が昨年の夏を上回ることはないと予想している。

 その他、米国、英国、日本では、2025年度の陽性率は約5%未満と低い水準を維持している。2025年19週の国別コロナ19陽性率は、米国2.9%、英国5.0%、日本の監視機関当たりの報告件数は0.94人と報告された。

 

ワクチン接種 

 疾病管理庁は、コロナ19の高リスク群*を対象に2024-2025年度コロナ19ワクチン接種を6月30日まで延長して実施中であり、2025年5月20日現在、高リスク群の10人中5人がまだワクチンを接種していない状況(接種率:47.4%)で、コロナ19ワクチン未接種者の接種を積極的に勧める。

*  65歳以上の高齢者、生後6ヶ月以上の免疫低下者及び感染脆弱性施設に入院・入所者


 現在使用されているJN.1ワクチンは、国内外で流行しているJN.1系変異体であるXEC、LP.8.1などに依然として有効な免疫反応(中和能)を示し、予防効果があることが確認されている。

 

 チ・ヨンミ疾病管理庁長は、「政府は国内外の動向を注意深く注視しており、現在までコロナ19の国内発生は安定的に管理されているが、今後の夏季の流行可能性を排除できない状況」と述べ、 

  「韓国と隣接する周辺国で新型コロナウイルスが増加しているため、流行国を旅行する際には感染予防の遵守を強調し、入国時に疑わしい症状がある場合、検疫官に知らせるよう呼びかけた。 また、国内感染や流行を予防するためには、日常生活の中で手洗い、咳のエチケット、人が多い場所ではマスクを着用するなど、呼吸器感染症の予防を遵守することが重要である」と強調し、

 「特に、コロナ19予防接種を6月末まで延長して実施しているので、65歳以上の高齢者、免疫低下者及び感染脆弱施設入院・入所者などの高リスク群は、コロナ19による重症及び死亡予防のため、今からでもワクチン接種に積極的に参加してほしい」と呼びかけた。

 

 

024-2025年度コロナ19予防接種延長実施概要 ▶

 

 

 

 

  ○接種対象 : 65歳以上、生後6ヶ月以上の免疫低下者及び感染脆弱施設に入院/入所者

  ○接種日程:2025年5月1日(木) ~ 6月30日(月) 

  接種機関 : 全国の保健所及び委託医療機関

   - 5月1日以降は、コロナ19接種可能な医療機関が一部変更になる可能性があります、

    予防接種ホームページで*で接種可能な保健所及び医療機関を必ず事前に確認することが必要です。

   예방접종도우미 누리집(nip.kdca.go.kr) > 예방접종관리 > 지정의료기관 찾기

 

 

◀ 呼吸器感染症予防の心得 ▶

 

 

 

 

 ○ 咳エチケットの実践

    - 咳をするときは、ティッシュや袖で口と鼻を覆う。

   - 使用したティッシュやマスクはすぐにゴミ箱に捨てる。

   - 咳をした後は必ず正しい手洗いをする

   - 使用済みのティッシュやマスクはすぐにゴミ箱に捨てる。

 ○ 正しい手洗いの生活化

   - 流水で石鹸で30秒以上手洗いする。

   - 外出後、食前・食後、鼻をかんだり、咳・くしゃみをした後、排便後など。

 ○ 洗っていない手で目、鼻、口に触れない

 ○ 室内ではこまめに換気する

    - 2時間ごとに10分ごとの換気

   - 学校、保育園などの公共施設では、出入り口と窓を同時に開ける。

 ○ 発熱や呼吸器症状がある場合は、医療機関を受診して適切な診療を受けましょう。

  新型コロナ19の症状がある場合はマスク着用を推奨し、医療機関を訪問する際はマスク着用を推奨します。

 


添付 1

 コロナ19の海外動向  

国際機関および各国の保健省の最新の公式発表資料に基づく。

   (シンガポール、タイ、カンボジアなどの国は、単発的なプレスリリース以外コロナ19関連の統計は発表していない。)

国家

(地域)

2025年のコロナ19発生動向

全世界

▶ 陽性率: 18週目(4.28.~5.4.) 3.4%で'25年継続的に減少傾向

陽性率の高い国:フランス19%、アラブ首長国連邦16%、メキシコ15%、グアテマラ13%の順

 

▶ 変異:LP.8.1が34.4%で最も優勢、これは米州地域では減少、ヨーロッパと西太平洋地域では増加傾向。

  ※ LP.8.1 34.4%, JN.1 20.1%, XEC 17.3%, その他 16.5%, KP.3.1.1 8.1% 順

陽性率

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増加傾向にある国・地域(香港、中国、シンガポール、台湾など)

香港

▶ 확진: 20주(5.11.~5.17.977명으로 19주(5.4.~5.10.) 1,042명 대비 6.2% 감소確認された: 20週(5.11.~5.17.) 977人で19週(5.4.~5.10.) 1,042人比6.2%減少

 

▶ 양성률: 20주차(5.11.~5.17.) 13.80%로 19주차(5.4.~5.10.) 13.66%보다 증가하여 최근 1년 새 최고치陽性率: 20週目(5.11.~5.17.) 13.80%で、19週目(5.4.~5.10.) 13.66%より増加し、最近1年間で最高値を記録しました。

 

▶ 중증 사례(사망포함)20주차(5.11.~5.17.) 27건으로19주차(5.4.~5.10.)의 18건보다 증가重症例(死亡を含む): 20週目(5.11.~5.17.)は27件で、19週目(5.4.~5.10.)の18件より増加。

 

▶ 변이: 하수감시 결과  XDV(JN.1의 하위변이)가 76.5%로, KP.3 23%로 XDV가 우세. 단, “XDV가 JN.1이나 XBB 및 그 하위 계통보다 중증 질환을 일으킨다는 근거는 없다.”고 언급 変異:下水監視の結果、XDV(JN.1の亜変異)が76.5%、KP.3が23%でXDVが優勢。ただし、「XDVがJN.1やXBBおよびそのサブ系統より重篤な疾患を引き起こすという根拠はない」と言及。

確診者数

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重症患者発生

中国

▶ 陽性率:18週目16.2%で'25年に入ってから持続的な増加傾向*、24年最高値(8月頃、21.1%)に近づいている。

  * (14週目)7.5% → (15週目)8.8% → (16週目)11.1% → (17週目)13.4% → (18週目)16.2%。

 

▶ 変異:3月(3.1.~3.31.)のウイルス配列分析結果、XDVが87.2%で最も優勢。

 

※“春節(1月末)以降、コロナは増加中だが、変異株に有意な変化はなく、'24年夏季の最高水準を超えない見込み」と言及(5月12日付)

陽性率

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病院ベース(外来・救急外来)のインフルエンザ様呼吸器感染症陽性率の推移

シンガポール

▶ 確診: 18週(4.27.~5.3) 14,200人で17週(4.20.~4.26) 11,100人比27.9%増加

 

▶ 入院(1日平均入院患者数): 18週(4.27.~5.3.) 133人で、17週(4.20.~4.26.) 102人比30.4%増加

-

台湾

▶ 外来・救急外来訪問: 20週(5.11.~5.17.) 19,097人で19週(5.4.~5.10.)比91.3%増加。

 

※''24年同期(23,778人)よりも低い水準。

 

▶ 重症例: 今年330人、死亡47人

死亡者のほとんどは65歳以上の高齢者及び慢性疾患者、確診及び死亡者の90%以上がJN.1ワクチン未接種。

 

▶ 変異: NB.1.8.1が45%で最も優勢

※ XEC 30%, LP.8.1 12%, KP.3.1.1 5%

外来・救急外来受診者数

減少傾向を示す国(米国、英国、日本など)

米国

▶ 陽性率: 19週(5.4.~5.10.) 2.9%で最近4週間減少傾向。 

※''24年夏季は'22年及び'23年よりも大きな流行(陽性率約18%)があり、'25年は5%未満の水準を維持中

陽性率

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英国

▶ 陽性率: 19週(5.5.~5.11.) 5.0%で18週(4.29.~5.4.) 5.8%より減少。 

'24年夏・秋の流行(陽性率約15%前後)以降、'25年は5%前後の水準を維持中

陽性率

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日本

▶ 機関当たりの報告件数:19週(5.5.~5.11.) 0.94人で前年同期(2.76人)より低い。'25年以降、継続的な減少傾向 

'23年と'24年に夏(7~8月)と冬(1月)の流行後、'25年は継続的に減少傾向。

機関当たり報告数

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出典:※出典: 

 1. WHO COVID-19 dashboard (WHO、5月21日)

 2. COVID-19 & flu Express、25年20週目 (香港健康保護センター、5月22日)

 3.全国の新型コロナウイルス感染状況(2025年3月)(中国疾病管理センター、4月21日)

 4.急性呼吸器感染症国家サーベイランス(2025年4月、14-18週目)(中国疾病管理センター、5月8日)

 5.2025年4月に注意が必要な公衆衛生上の緊急事態に関するリスク評価(中国疾病管理センター、5月12日)

 6. Update on COVID-19 situation (シンガポール保健省、5月13日)

 7.コロナパンデミックの深刻化に伴うワクチン接種の呼びかけ(台湾疾病管理センター、5月20日)

 8.COVID-19週間レポート、20週目 (台湾疾病管理センター、5月20日)

 9. CDC COVID19 Data tracker (米国疾病管理センター、5月11日)

 10.全国インフルエンザおよびCOVID-19監視報告書: 2025年4月15日 (20週目) (英国保健安全保障庁、5月15日)

 11.新型コロナウイルス感染症の発生状況 (厚生労働省、5月16日)

2025/05/14

「疫学調査官」教育標準教材を初発刊

原文リンク   2025年5月14日

「25年間の疫学調査のノウハウ集約」

 「疫学調査官」教育標準教材を初発刊

- 疾病管理庁-韓国疫学学会、専門性と実戦力を盛り込んだ3冊の「疫学調査官教育標準教材」開発完了

- 5月14日(水)発刊式を開催、疾病管理庁長及び韓国疫学学会長をはじめとする執筆陣が出席

 

  疾病管理庁(庁長チ・ヨンミ)は、韓国疫学協会と一緒に「疫学調査官教育標準教材」(以下、標準教材)を発刊し、5月14日に発刊式を開催する。

 

   疾病管理庁は2000年から専門的な疫学調査官を養成するため、3週間の集合教育である「疫学調査官基本教育」など様々な教育・訓練過程を運営してきた。しかし、体系的な教育運営のために標準化された教材の開発が必要であるという要求が持続的に提起されてきた。

 

   これに伴い、疾病管理庁は2024年から韓国疫学協会と協力し、標準教材の開発に着手した。疫学調査官に要求される専門性と実技能力を体系的に備えることができるよう、主要核心能力を導き出し、これに基づいて教材案を設計するなど、様々な過程を経て、計3冊の標準教材*の開発を完了した。今回開発された教材は、今後、疫学調査官基本教育課程の教材として活用される予定で、現場中心の実質的な教育の内実化を支援することが期待される。

 

   標準教材は、1巻「疫学入門コース」、2巻「疫学力量強化コース」、3巻「疫学調査事例実務コース」の計3冊で構成されています。


第1巻 疫学入門コース

第2巻 疫学力量強化コース

第3巻 疫学調査事例実務コース

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  疫学調査官は、「感染症の予防及び管理に関する法律」(以下、「感染症予防法」)に基づき、感染症の遮断及び拡散防止のため、感染症患者等の発生規模を把握し、感染源を追跡するなど、疫学調査を行う専門人材である。米国をはじめとする世界の主要国のほとんどが疫学調査官制度を運営しており、韓国でも感染症の流行及び対応体系の発展とともに疫学調査官制度を整備してきた。

 

    韓国では、1年間の試験運用を経て、2000年度に公衆衛生医師を中心に第1期疫学調査官20人を選抜し、感染症と疫学などに関する教育を開始した。2015年の中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome, MERS)の国内流行を経験した後は、国家防疫体系の改編とともに、感染症予防法に疫学調査官の義務配置規定を新設*し、疫学調査を専任する公務員中心の制度に転換し、現在のような疫学調査官の教育・訓練の枠組みを整えた。

 

  * 中央に30人以上、17の市・道に各2人以上の疫学調査官の配置を義務付け

 

    特に、世界的に長い間、韓国社会に大きな試練を与えた新型コロナウイルスの流行を経験し、2020年から地域社会への感染を防ぎ、効果的に対応するため、中央と市・道のほか、市・郡・区の地域単位まで疫学調査官を義務的に配置*するようにした。現在、教育・課程を修了した疫学調査官250人余りが全国で活動しており、疫学調査官になるための教育・訓練過程にある修習疫学調査官も約300人に達する。

 

  * 感染症予防法に基づき、中央に100人、市・道に2人ずつ、人口10万人以上の市・郡・区に1人ずつ配置。

 

  発刊式は、疾病管理庁長官と韓国疫学学会長をはじめとする教材執筆陣が出席した中、疾病管理庁オソン庁舎で開催され、教材の執筆過程及び主要内容に対する説明と疾病管理庁長及び韓国疫学学会長の署名式など20分間にわたって行われる。

 

  チ・ヨンミ疾病管理庁長は、発刊式で「2025年は、韓国に疫学調査官制度が導入されてから25年になる記念すべき年であり、コロナ19などの新型感染症の危機の中で、国民の健康と安全のために誰よりも先に感染症の現場に足を運び、全力を尽くしてきた疫学調査官に感謝の気持ちを伝える」とし、「標準教科書を通じて疫学調査に必要な専門的な理論と方法から様々な現場事例まで体系的に学習することで、韓国の疫学調査官の専門性が一段階跳躍するきっかけになると期待している」と述べた。


 「疫学調査官教育標準教材」は、疾病管理庁のホームページ*からファイル(PDF)形式でもダウンロードすることができる。

 

  * 질병관리청 누리집(www.kdca.go.kr) > 알림자료 > 홍보자료 > 교육자료


添付 1

 

 疫学調査官教育標準教材の主な内容

 

 推進背景

 

 ㅇ 疫学調査官専門性・能力確保のために'17年から教育・訓練過程を導入・運営

 

 ㅇ 特に、新型コロナウイルスを契機に全国に拡充された疫学調査官の体系的な教育・訓練が重要な視点として、標準教材の開発及び教育課程の活用を推進

 

    *  中央100人以上、都道府県別2人以上、市区郡区(10万人以上)1人以上配置義務

 

 主要内容

 

 ㅇ  (教材構成) 全3巻

 

  -  (1巻) 感染症、監視体制、疫学調査および疫学理論に関する疫学入門コース

 

(第1章) 疫学調査官の役割と国家の感染症管理

(第5章) 感染症疫学と管理

(第9章)予防接種の理解

(第2章) 疫学方法論の基礎

(第6章)感染症流行疫学調査

(第10章)公衆衛生コミュニケーション

(第3章)医学保健学文献検索

(第7章) 現場感染管理と検体採取

(第11章)災害及び公衆衛生危機の備えと対応を理解

(第4章)感染症と診断の理解

(第8章) 感染症監視体制の理解と分析

(第12章) 主要感染症の管理と疫学調査

 

  - (2巻)疫学資料分析、感染症診断、予防接種、医療関連感染症、検疫などに関する疫学力量強化コース

(第1章) 疫学資料分析力量強化

(第4章) 感染症診断能力強化

(第7章) 検疫及び海外流入感染症の管理

(第2章) 監視資料の分析力強化

(第5章) 予防接種管理能力強化

(第8章)ワンヘルス(One Health)と気候変動

(第3章)流行疫学調査能力()

(第6章)医療関連感染と医療関連感染症の特徴と管理

(第9章)科学報告書の作成と発表

 

  - (3巻) 感染症別の実際の疫学調査事例を扱った疫学調査事例実務コース

(第1章)感染症 Course-Work

(第2章)状況別疫学調査事例集

 

 ㅇ  (その他)PDFなどのファイル(疾病管理庁ホームページ)形式でも提供