原文リンク 2024年3月22日
免疫低下者などCOVID-19の高リスク者へ4月15日から追加接種開始 |
- 現ワクチンの流行変異に対する有効性、免疫低下者など高リスク群の短い免疫持続期間を考慮し、重症・死亡予防のために24年上半期に追加接種を実施 - ➊5歳以上の免疫低下者及び➋65歳以上のうち、'23-'24シーズンのワクチン既接種者の追加接種勧告及び'23-'24シーズンのワクチン未接種者の接種継続を促す。
- インフルエンザワクチンと同じように予約なしで当日接種、4月15日から開始 |
疾病管理庁(長官チ・ヨンミ)は、現在流行している変異型(JN.1)に対するワクチンの有効性、免疫低下など高リスク群の短い免疫持続期間などを考慮し、高リスク群の重症・死亡予防のため、4月15日からコロナ19追加接種(XBBワクチン)を開始すると発表した。
今回の計画は、免疫低下者及び65歳以上における➊ワクチン接種後の免疫低下に関する国内外の研究、➋米国・英国など国外の接種動向、➌コロナ19感染時の疾病負担などを検討し、コロナ19ワクチン分野の専門家諮問(3.8.)と予防接種専門委員会(3.19.)の審議を経て策定した。
[国内コロナ19効果評価研究結果]
疾病管理庁は、韓国で初めて実施した病院ベースのコロナ19ワクチン予防接種研究*の最終結果(責任者:チェ・ジュニョンヨン教授チーム、延世大学)を通じて、コロナ19ワクチン(2価ワクチン、XBB.1.5ワクチン)接種の予防効果を公開した(3月12日、政策研究管理システムプリズム)。
* 研究領域名 : コロナ19ワクチンの予防接種効果評価研究('23年6月-'24年2月)
本研究は、6つの医療機関*に来院してコロナ19検査を実施した20,426人の予防接種歴、入院、治療期間を分析し、コロナ19ワクチン接種の感染・入院・重症化及び死亡予防効果などを導き出した。
* 慶北大学校病院、原州セブランス病院、仁荷大病院、全南大学校病院、セブランス病院、忠北大学校病院
研究によると、'22-'23シーズンの新型コロナ19ワクチン(2価ワクチン)接種者の未接種者に対する感染・入院・重症・死亡予防効果は、全年齢と比較して65歳以上の方が高いことが確認された。
また、接種6ヶ月以上経過後、死亡予防効果は同様に維持されたが、感染・入院・重症予防効果は接種後3-6ヶ月の効果に比べて半分近く減少することが分かった。 したがって、ワクチン接種後の時間経過に伴う免疫低下を考慮し、高リスク群は入院など健康被害を最小限に抑えるための追加接種が必要である。
<未接種者に対する2価ワクチンの接種効果>
一方、今回の65歳以上の新型コロナ19ワクチン(XBB.1.5ワクチン)接種者の未接種者に対する感染・入院・重症予防効果は、それぞれ67.5%、73.5%、78.1%であった。ワクチン接種者の感染・入院・重症リスクが未接種者の1/3(32.5%)、1/4(26.5%)、1/5(21.9%)水準であり、接種により疾病負担が大幅に低下したことが確認される。
<未接種者に対するXBB.1.5ワクチン接種効果>
具体的な研究結果及び最終報告書は、政策研究管理システムプリズム(https://www.prism.go.kr)で確認することができる。
[海外接種動向]
国外の動向を見ると、英国('24.2.7.)、米国('24.2.28.)などの主要国も韓国と同じように上半期に高リスク群を対象にしたコロナ19ワクチン接種の推奨事項を発表しており、具体的な日程・対象は以下の通りである。
<海外24年上半期のCOVID-19ワクチン接種動向>
国 | 対象 | 日程 | 推奨事項 |
米国 | 65歳以上 5歳以上の免疫低下者 | 2月28日 - 未定 | 65歳以上の勧告水準をより上方修正して勧告
23年上may → 24年上should |
カナダ | 65歳以上 6ヶ月以上の免疫低下者
感染脆弱施設入居者 | 3月25日 – 5月31日 | '23年上半期と同じ勧告レベル |
英国 | 75歳以上 6ヶ月以上の免疫低下者 感染脆弱施設入居者 | 4月15日 – 6月30日 | 75歳以上の入院率が他年齢層に比べかなり高いことから、75歳以上を対象に接種を推奨 |
スウェーデン | 80歳以上 介護が必要な65歳~79歳 | 4月中 | - |
日本 | 未実施 |
[65歳以上のコロナ19の疾病負担]
'24年1月1週から計8週間、200床以上の病院級医療機関(220ヵ所)で収集された急性呼吸器感染症(ARI)監視によると、COVID-19入院患者総数5,993人のうち、65歳以上は4,037人で約67.4%に達することが分かった。
このように、65歳以上など高リスク群のコロナ19の疾病負担は健康な年齢層に比べて依然として高く、現在活用されているコロナ19ワクチン(XBB.1.5ワクチン)の重症・死亡予防効果が国外研究とともに国内研究でも確認されたため、政府はコロナ19ワクチンの追加接種を決定した。
[詳細計画]
'24年上半期のCOVID-19高リスク群の予防接種の詳細は以下の通り。
新型コロナウイルスCOVID-19上半期の高リスク群の接種計画 |
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接種対象 | | 5歳以上免疫低下者 | | 65歳以上 |
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接種ワクチン | | XBB.1.5. 単価ワクチン(ファイザー,モデルナ,ノババックス) |
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接種感覚 | | 最後のコロナ19ワクチン接種日から3ヶ月(90日)経過後 |
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接種日程 | | 4月15日- |
今回の接種は、免疫低下者のうち、5歳以上で'23-'24シーズンのXBB.1.5ワクチンを接種した約8万人を対象とする。
さらに、65歳以上のうち、'23-'24シーズンにワクチンを接種した方(約400万人)も接種に参加できる。接種を希望する方は、前回のコロナ19ワクチン接種日から3ヶ月(90日)が経過している必要があり、前回と同様にXBB.1.5ワクチン*で接種する。
* XBBワクチンはJN.1(接種前後で中和能が7.7倍上昇)に対しても有効であることが確認されました。
▪ 腫瘍や血液がんで抗がん剤治療を受けている場合。 ▪ 臓器移植手術を受け、免疫抑制剤を服用している場合。 ▪ 造血幹細胞移植後2年以内の患者、または移植後2年以上経過していても免疫抑制剤治療を受けている場合。 ▪ 原発性(先天性)免疫不全症(抗体欠乏症、DiGeorge症候群、Wiskott-Aldrich症候群など)。 ▪ 高用量のコルチコステロイドまたは免疫を抑制する可能性のある薬で治療中の場合。
▪ その他、上記基準に準ずる免疫低下者として接種が必要と判断される場合、医師の所見により接種可能。 |
一方、'23-'24シーズンのワクチンを1度も接種していない高リスク群も今回の期間内に接種に参加できるため、政府は高リスク群の健康を守るため、接種への参加を促すことを明らかにした。
4月15日(月)から全国の委託医療機関及び保健所で接種することができ、詳細は感染症ポータル(ncv.kdca.go.kr)で確認できる。
* 接種機関確認経路 : 感染症ポータル(ncv.kdca.go.kr)>コロナ19>予防>予防接種>予防接種状況>コロナ19接種機関
チ・ヨンミ疾病管理庁長は、「新型コロナウイルスによる高リスク群の重症化及び死亡予防を最優先目標とし、接種が適時に実施されるように万全を期しているため、免疫低下者など高リスク群は今回の接種に積極的に参加してほしい」と述べて、
「65歳以上のお年寄りの10人中6人が昨年'23-'24シーズンのワクチンを接種していない状況で、今も希望者は接種が可能なので、多くの方の関心と参加をお願いしたい」と述べた。
疾病管理庁は、XBB.1.5ワクチンを活用し、'23年10月19日から実施している'23-'24年度コロナ19予防接種を4月1日(月)から終了すると発表した。
'23-'24シーズンの新型コロナ19ワクチン接種は、6ヶ月以上の全国民を対象とし、65歳以上、免疫低下者、感染脆弱施設入院・入所者に接種が推奨された。65歳以上の累積接種率は41.2%(4,019,907人)で、昨年同期(38.8%)に比べ高い接種率を記録している(3月20日現在)。
4月1日(月)接種終了後、4月14日(日)までコロナ19委託医療機関の調整*などインフラ整備のための準備期間を経て、4月15日(月)から上半期の追加接種を推進する計画である。この時にも接種が全面的に中止されるわけではないので、'23-'24シーズンのコロナ19ワクチンを接種していない方は、希望すれば近くの医療機関で接種を受けることができる。
* コロナ19委託医療機関数 : (現)1万6千か所余り → ('24年4月以降) 4千2百か所余り
** 4月1日(月)以降も5歳未満の乳幼児の予防接種インフラは現行維持