2023/12/29

感染病標本監視週間状況(2023年51週次:12月17日~12月23日)

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 1,インフルエンザ及び急性呼吸器感染症

   〇 外来患者の監視

- インフルエンザ疑似患者割合は43.3人(/1,000人)で2週連続減少

* 51週:('18年)71.9人、('19年)37.8人、('20年)2.8人、('21年)1.9人、('22年)41.9人

 発生推移:(48週)48.6人→(49週)61.3人→(50週)54.1人→(51週)43.3人

-[病原体(51週目)] インフルエンザウイルス35.6%、ヒトコロナウイルス15.1%、アデノウイルス12.5%などの順

   〇 入院患者の監視

-(ウイルス性)インフルエンザウイルス39.0%、呼吸器細胞融合ウイルス18.4%、リノウイルス16.5%などの順

*   インフルエンザウイルスは増加傾向が続いていたが、先週より大幅に減少。

  757発生推移: (48週) 797人 → (49週) 1,053人 → (50週) 1,101人 → (51週) 757人

         * 呼吸器細胞融合ウイルスは最近4週間で約1.8倍増加、

           コロナ19以前と比べ低い水準('18年1,215人、'19年1,035人)
           発生推移: (48週) 192人 → (49週) 276人 → (50週) 372人 → (51週) 358人


-(細菌性) マイコプラズマ肺炎菌98.6%中心に発生

*  マイコプラズマ肺炎球菌は47週(11.19.~11.25., 288人)最多発生後、減少する模様

 発生推移: (48週) 258人 → (49週) 227人 → (50週) 258人 → (51週) 213人

   〇 重症急性呼吸器感染症入院患者の監視

- (ウイルス性)インフルエンザウイルス28.3%、呼吸器細胞融合ウイルス23.9%、リノウイルス17.1%などの順

*  インフルエンザウイルスは増加傾向持続、先週比で大幅減少

*  呼吸器細胞融合ウイルスは最近3週間、同様の発生が持続

- (細菌性)マイコプラズマ肺炎球菌55.8%、肺炎球菌40.4%などの順


2.   腸管感染症

  〇 患者モニタリング

- (ウイルス性)ノロウイルス流行状況、ノロウイルス74.6%、グループA型ロタウイルス10.1%などの順

*  ノロウイルスが例年より急速に増加し、先週200人以上が発生し、今週も引き続き増加しています。

 発生推移: (48週) 91人 → (49週) 163人 → (50週) 201人 → (51週) 214人

-  (細菌性)全体的に低い発生、カンピロバクター菌36.1%、サルモネラ菌31.5%などの順で発生。

- [病原体(50週目)] 急性下痢疾患の原因ウイルスはノロウイルス38.1%、グループA型ロタウイルス7.1%、急性下痢疾患の原因細菌は病原性大腸菌4.1%、バチルス・セレウス菌2.4%など


3.     手足口病及びエンテロウイルス感染症

 〇 手足口病の疑似患者割合は1.2人(/1,000人当たり)と低い発生率で継続

* (年齢別発生状況) 0-6歳 1.7人、7-18歳 0.3名

  エンテロウイルス感染症は低発生、無菌性髄膜炎44.4%、手足口病33.3%などの順。

- [病原体(50週目)] エンテロウイルス2件検出(検出率40.0%、無菌性髄膜炎1件など)


1.1. インフルエンザ病原体監視

  インフルエンザウイルス35.6%検出 (A(H3N2)、A(H1N1)pdm09、B型の順に検出)

  前年同期比12.2%増加(2022-2023節季51週検出率23.4%)


< 2023-2024節季 週別インフルエンザウイルスの検出状況>

区分

全体検出率(%)

亜種別検出率(%)

A(H1N1)pdm09

A(H3N2)

B

48週

42.2

24.1

13.2

4.9

49

42.2

18.9

16.3

7.0

50

43.8

18.1

18.7

7.0

51*

35.6

11.9

15.1

8.6

最近4週**

41.1

18.4

15.9

6.9

2023-2024 節季累計***

28.4

18.2

7.8

2.5

2022-2023 節季

8.9

1.4

7.2

0.3

2021-2022 節季

0.6

0.0

0.6

0.0

*(2023. 12. 17. ~ 2023. 12. 23.), **(2023. 11. 26. ~ 2023. 12. 23.), ***(2023. 9. 3. ~ 2023. 12. 23.),*(2023. 12. 17. ~ 2023. 12. 23.), **(2023. 11. 26. ~ 2023. 12. 23.), ***(2023. 9. 3. ~ 2023. 12. 23.),

(2022. 8. 28. ~ 2023. 9. 2.), (2021. 8. 29. ~ 2022 8. 27)

 インフルエンザ 型別週次別 検出率(2023年36週~51週)

2023/12/28

変異ウイルスの状況(2023年12月23日0時現在)

 原文リンク 

 HK.3の検出率は58.2%(0.0%p)で前週と同じ

  EG.5は23.4%(+1.0%p)で前週比微増

  BA.2.86由来のJN.1は5.8%(+2.5%p)で11月初検出以降、継続的に増加傾向


 オミクロン JN.1 (BA.2.86.1.1)

▹ BA.2.86から派生したJN.1は、'23年8月にルクセンブルクで初めて確認された後、46カ国で8,346件確認され、世界的な増加傾向が確認され、BA.2.86から別途分離してVOIに指定(WHO.12年19日)されたが、重症度増加との関連性は確認されておらず、現在流行中の他の変異体と比較して追加の公衆衛生リスクもまだないと評価(WHO.JN.1初期危険度評価.12月19日)

  *  (全世界) 11月1週 3.3% → 12月1週 35.5%、

    (フランス) 11月1週 16.6% → 11月5週 46.9%

 (米国) 11月2週 3.5% → 12月1週 21.4%


▹ 国内では'23年11月初検出以降、現在までに合計129件が確認され、12月3週目基準で5%以上の検出率が確認され、BA.2.86から別途分離してモニタリングしている。
   * (国内検出率) 11.3週間 0.1% → 12.1週間 1.8% → 12.3週間 5.8%

【 最近5週間の変異ウイルス検出状況

 

分析週次

ロナ19変異ウイルス細部系統検出率(%)*

EG.5

HK.3

(EG.5.1.1.3)

HV.1

(EG.5.1.6.1)

XBB

BA.2.86

JN.1

(BA.2.86.1.1)

その他

11月4週

28.7

53.9

2.2

11.8

1.4

0.6

1.4

115週

27.6

56.9

3.3

8.7

2.3

0.5

0.7

121週

25.2

59.0

4.8

5.5

3.0

1.8

0.7

122週

22.4

58.2

7.0

4.2

4.2

3.3

0.7

123

23.4

58.2

3.2

3.2

4.5

5.8

1.7

* XBBはEG.5、HK.3、HV.1を除くXBBのすべての詳細系統を含む、BA.2.86はJN.1を除くBA.2.86のすべての詳細系統を含む